20040309@渋谷PLUG

20040309@渋谷PLUG
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1.レッド・スカイ [pc]
2.LlFE (arpeggio ver) [pc]
3.春の眠り
4.To The New World (ultra delay version) [pc]
5.SLOW MOTION (ti version) [pc]
6.スロウ・スターター (live version) [pc]
7.Ame

このライブは「エレクトロニック・トライアル」と銘打って、泉輝紀が最も得意とする打ち込み系のサウンドを前面に押し出した攻撃的なライブとなった。渋谷PLUGは渋谷西武に面したマクドナルドの地下2階にある。地下へ潜っていくかのように階下へ。都会の人ごみから遮断され、開放される気持ちになる。渋谷PLUGはクラブっぽい雰囲気を持ち合わせるライブハウスで、照明が暗く、天井が高く居心地の良い空間であった。

1.レッド・スカイ[pc]
今年1月に発売されたマキシシングル「レッド・スカイ」のタイトル・チューン。CDのアレンジと比べると、曲の始まりからアレンジを大胆に変えていたのに驚いた。デジタルサウンドとエレピとパーカッションとが心地よくシンクロする。曲の中盤あたりからは、歌声も、パーカッションも、より強く、より激しくなっていく。激しく絶叫する部分も聴き所。赤い空がだんだん濃く染まっていく心象イメージをサウンドアレンジで表現させた意欲作。

2.LlFE (arpeggio ver) [pc]
1stアルバム「New World」収録曲。渋谷PLUGの洒落た雰囲気にマッチする不思議なアレンジ。本人いわく「アルペジオアレンジ」。「アルペジオ」とは、ある和音を分散して出す事で、メロディーに合わせた細かい表現やコードで弾くのとは違った音の深みを出す事ができる。アコーステックギターの旋律を絡ませているものの、いわゆる単なるアコースティックバージョンではなく、ちょっとダークで、ほろ苦い味わいのアレンジに仕立てていた。

3.春の眠り
アルバム未収録。しっとりと春の息吹を感じさせる一曲。暖かい日が続く東京の3月にあわせたかのような、美しいエレピの弾き語り。さわやかで美しい歌声に、Atsu氏のパーカッションが優しく反応する。何かと鬱っぽくなりがちなこの世界に、風が窓から吹き込んでくるような新鮮な気持ちにさせてくれた。(作詞─Keiichi Kumakura氏)

4.To The New World (ultra delay version) [pc]
1stアルバム「New World」のタイトルチューン。原曲とは全く異なるアレンジ。泉が最も得意とするデジタルサウンドを露骨なまでに、攻撃的に聴かせる一曲。ダンスミュージック、テクノにカテゴライズされるであろうリミックス。彼の作品にはダウン・テンポの楽曲が多く、常にデリケートな音作りを大切にしているため、先鋭的なデジタルサウンドをあえて封印しているかのようにも見受けられたのだが、この曲ではそうした既成概念を打ち破るかのごとく、彼のアレンジャーとしての「遊び心」が実にのびのびと発揮されていた。

5.SLOW MOTION (ti version) [pc]
この曲は泉輝紀の師にあたる辻睦詞・渡辺善太郎のユニット、「Oh! Penelope」(以下、オーペネ)に楽曲提供された作品をセルフカバーしたもの。オーペネはその前身のバンドである、「詩人の血」のメンバーであった辻・渡辺の両氏によって結成された。1997年,オーペネは惜しまれつつ解散するが、この曲はラストアルバム「Milk & Cookies」に収録されている。オーペネ・バージョンとは一味違った、優しく暖かみのある歌声とサウンドアレンジに仕上がっている。

6.スロウ・スターター (live version) [pc]
マキシシングル「レッド・スカイ」の3曲目。最近のライブで、2度ほど、このライブ・バージョンのアレンジで演奏している。人工的で無機質とも思えるものと人間味あふれる暖かさ…。泉はこの相反する二つを、大胆に結びつける音楽的実験を果敢に推し進めているように見受けられる。特に今回演奏した、「レッド・スカイ」「To The New World」「スロウ・スターター」などはその点で、新たなる音楽的価値を見いだそうとしている彼の姿勢をはっきりと感じ取ることができた。

7.Ame
1stアルバム「New World」収録曲。味わいのあるダウン・テンポで,僕の大好きな曲の一つ。身近で素直な詞がもつ力強さ、語りかけてくるような歌声とメロディ…。なぜか懐かしくて切ない気持ちへと誘ってくれる。美しく強く響いていた。泉の美意識と人間性が如実に反映されたデリケートな曲。(作詞─Hirono氏)

段差のあるステージで見る泉輝紀のライブもまた、なかなか迫力がある。彼の洗練された電子系サウンドは、渋谷PLUGのダークな雰囲気とぴったり。特筆すべきは演奏時のライティングの美しさである。事前に色などの指示を自身で行ったそうであるが、楽曲のイメージに実にうまく呼応していた。

文─今東淳雄

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